ヒルガオ(ヒルガオ科)[昼顔] |
アサガオと同じく一日花であるが、アサガオが朝のうちにしおれてしまうのに対し、真夏の日中でも咲いているのでこの名がある。万葉集で詠まれた容花(かおばな=美しい花の意)は本種を指していると考えられている。むしり取ると雨が降るといわれ、方言で「雨降り花」というところも多い。 日当たりのよい人里の肥沃な野原や道端に生えるつる性の多年草。ヨモギやセイタカアワダチソウなど他の草やフェンスなどにZ巻き(上から見て反時計回り)に絡んで伸び、長さ2-3mに達する。つるは正面から見て左下から右上に向かって巻き上がっていく。ふつう結実せず、白く細い根茎を伸ばして殖える。駆除の難しい厄介な雑草で、根茎は引っ張ると簡単にちぎれ、そこからまた花茎を出す。トラクターで耕起すると、根茎はずたずたに細切れになるが、その全てが再生して芽を出し、ゾンビのように殖える。 葉は長さ1-4cmの柄があって互生し、長さ5-10cm、幅1-4cmの長楕円形で基部の両側は斜め後方に張り出してとがり、ふつう分裂しない。 葉腋から出た長さ3-4cmの花柄の先に、淡紅色で長さ・直径とも5-6cmの漏斗形の花を1個つける。花柄の先に縮れた翼はない。花の付け根に苞より小さな萼とそれに接して2個の苞がつく。萼は先が5裂するが苞に隠れてよく見えない。苞は長さ2-2.5cmの卵形で鈍頭~ややへこみ、基部はやや心形。雄しべは5個が花筒基部近くにつく。子房は上位、花柱は1個で柱頭は2裂。 果実は蒴果だが、ふつう実らない。 若葉、つる、花はゆでて食用とする。冬には根茎を掘って食べる。生薬名は旋花(せんか)といい、全草を陰干ししたものを煎じて利尿、強壮などに用いる。 よく似たコヒルガオは花の直径は3-4cmで色が薄く、葉の基部が横に張り出し、張り出した部分が2裂するものが多い。また花柄の上部に縮れた翼があることで区別できる。 花期:6-8月 分布:北・本・四・九 撮影:1999.7.3 青森県八戸市 |
2019.6.14 神奈川県平塚市 花柄には翼がない。 2019.6.14 神奈川県藤沢市 葉の基部の両側は斜め後方に張り出し、ふつう分裂しない。 2020.7.16 神奈川県茅ヶ崎市 |
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