フランスギク

フランスギク(キク科)[仏蘭西菊]

名は、パリ郊外に多いことからついたもの。

江戸時代末期に観賞用に持ち込まれたヨーロッパ原産の多年草で、北国の道端や空き地などに多く、しばしば群生する。林道や山岳道路に沿ってかなりの高地にまで入り込んでいる。生態系被害防止外来種。
茎は基部近くでまばらに分枝し、稜があって無毛または粗い毛が生え、高さ30-50cmになる。
葉は濃緑色で無毛、革質で表面にやや光沢がある。根生葉は長い柄があり、長さ6-9cmの長倒卵形で縁は円い鋸歯があり、ロゼットをつくって越冬する。茎葉は無柄で互生し、長楕円形~へら形で縁は粗い鋸歯があり、基部は茎を抱く。
茎の先に直径約5cmの頭花を単生する。総苞は半球形で総苞片は3-4列に並び、披針形~広線形。中心部は緑色で辺縁部は膜質、その境は黒く縁取られる。頭花は中心の黄色い筒状花と周辺の白色の舌状花からなる。舌状花は純白で雌性、花冠の先は浅い2-3歯がある。筒状花は黄色で両性、先は5裂する。
痩果は黒色で長さ約2mm、10条の白いひれ状の隆起線がある。冠毛は合着して皿形の突起となる。

園芸の世界でマーガレットとよばれているものはモクシュンギクのことであるが、本種と混同されている。本来マーガレットとは本種のことだったが、日本ではモクシュンギクをマーガレットとよぶようになったので、本種のことはフランスギクとよぶようになったという。モクシュンギクは葉がシュンギクのように羽状に裂け、茎の基部が木化するのが特徴で、暖地で栽培されていて越冬せず、野に逃げ出すことはない。園芸種のシャスターデージーはフランスギクと日本のハマギクを交配して作出されたもの。
花期:5-8月
分布:帰化植物
撮影:2009.6.20 青森県弘前市
フランスギクの頭花
総苞片は3-4列。 2019.5.13 横浜市金沢区

フランスギクの葉
葉の基部は茎を抱き、縁に粗い鋸歯がある。 2019.5.13 横浜市金沢区

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