ヒョウノセンカタバミ(カタバミ科)[氷ノ山傍喰] |
名は、氷ノ山で採集されたものによって命名されたことによる。氷ノ山だけにあるものではなく、氷ノ山はほぼ西限にあたり、以東の日本海側の北海道南西部まで分布する。 コミヤマカタバミに比べて葉や果実が大型であることでその変種とされてきた。コミヤマカタバミには染色体が2倍体と4倍体のものがあるが、本種は4倍体だという。4倍体の植物は大型になる傾向があり、本種もその一つだろうと。しかしながら近年のDNA解析の成果にって、ヒョウノセンカタバミはコミヤマカタバミよりもミヤマカタバミやカントウミヤマカタバミにより近縁であることが明らかになったという。YListでもミヤマカタバミのシノニムとしている。 深山~亜高山帯のやや湿った針葉樹林下などに生える多年草で、地上茎はなく花茎の高さが5-20cmになる。 根茎は細長く地中を分枝しながら横にはい、その先から葉を束生する。 葉は全て根生し、長さ3-10cmの葉柄がある3出複葉で幅2.5-5cmの倒心形の3小葉からなる。小葉は就眠運動をし、夜間や曇天、雨天時に折り畳まれる。 根際から出た花茎の先に、直径2-3cmの花を1個つける。色は白色~淡紅色。青森県では淡紅色のものが多い。花弁は5個で先は僅かにへこみ、基部は黄色を帯びる。花弁の筋はしばしば赤紫色を帯びる。雄しべは10個、花柱は5個。花が盛りが過ぎる頃に閉鎖花をつける。 果実は長さ1-1.5cmの楕円形の蒴果で全体に毛が密生し、熟すと種子をはじき飛ばす。 花が淡紅色のものをベニバナニョウノセンカタバミという。コミヤマカタバミは花の直径はほぼ同じだが、小葉の幅1-3cm、蒴果は長さ3-4mmの卵球形。 花期:4-6月 分布:北(西南部)・本(日本海側) 撮影:2002.5.26 青森県浪岡町 |
コミヤマカタバミに戻る |
検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。 |