カロライナツユクサ

カロライナツユクサ(ツユクサ科)[carolina露草]

ツユクサの仲間でインド原産であるが、北アメリカに帰化したものについて記載されたのでこの名がある。
シマツユクサに似た1年生の帰化植物で、関東地方以西の畑や田んぼの縁などに生える。平成22年(2010年)頃から九州各地や愛知県で帰化が確認され、大豆畑などで蔓延して収量・品質の低下を招くなどの影響を及ぼしており、防除すべき雑草と目されている。

茎は基部から分枝して長く地をはい、節から根を下ろして広がる。
葉は無柄で互生し、長さ3-10cm、幅1-2cmの披針形~卵状披針形で先は鋭くとがる。葉鞘は膜質で茎を抱く。
総苞は縁で合着せずに舟形に内折し、展開させると狭卵形。シマツユクサのように鎌形に曲がらずに先が長く伸びる。総苞内の花序枝には先が曲がった細毛が生え、直立する花序枝は退化して花をつけないか、まれに1花をつける。花は小さく、直径0.8-1.4cm。外花被片3個のうち側方の2個は基部が合着する。内花被片のうち上方の2個は大きく、下方の1個はやや小さく、3個とも淡青色。雄しべは5-6個で上側の2-3個は仮雄しべで先は4裂、葯は黄色、下側の長い3個は完全雄しべで、うち中央のものは葯が茶褐色でY字形。
果実は総苞に抱かれた3室の蒴果。種子は長さ2-3mm、濃茶褐色で表面は平滑、シマツユクサのような網目模様はない。種子の両端または片側にエライオソームがついていて、アリによって運ばれる。

長い間シマツユクサと混同されてきたが、シマツユクサは総苞が鎌形に曲がり、種子に網目模様がある。Y字形雄しべの葯は白色。
花期:7-11月
分布:帰化植物
撮影:2023.10.13 神奈川県平塚市
カロライナツユクサ-2
シマツユクサと同様に、基部から分枝して地をはう。 2023.10.13 神奈川県平塚市

カロライナツユクサの花
内花被片は3個とも青色。 2023.10.13 神奈川県平塚市

カロライナツユクサの花-2
下方の3個の完全雄しべのうち、中央のY字形の雄しべは葯が白色。 2023.10.13 神奈川県平塚市

カロライナツユクサの苞葉
総苞はシマツユクサのように鎌形に曲がらず、ほぼまっすぐに伸びる。 2023.10.13 神奈川県平塚市

カロライナツユクサの葉
披針形~卵状披針形で先は鋭くとがる。 2023.10.13 神奈川県平塚市

カロライナツユクサの葉鞘
葉鞘は膜質で茎を抱く。 2023.10.13 神奈川県平塚市

カロライナツユクサの果実
果実は蒴果。種子の表面は平滑、シマツユクサのような網目模様はない。 2023.10.13 神奈川県平塚市

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