カテンソウ

カテンソウ(イラクサ科)[花点草]

名の由来は不明。
山野の林縁や明るい林下などに群生する雌雄同株の多年草で、高さ10-30cmになる。長い走出枝を地中で伸ばして殖える。
葉は長い柄があって互生し、長さ幅とも1-3cmの菱形状卵形で先は円く、縁に4-7対の鈍鋸歯がある。基部は切形~広いくさび形。表面は長い短毛がまばらに生える。裏面は淡緑色でときに紫色を帯びて光沢があり、脈上に曲がった短毛が生える。葉柄の基部に1対の小さな托葉がある。
茎の上部の葉腋から長い柄を伸ばして葉より上に集散花序をつくり、雄花をまとめてつける。雄花の花被片は紅紫色~紫色で、開花後より蕾のときのほうが目立つ。雄花は花被片と雄しべは5個あり、開花初期に内側に丸まっている5個の花糸が、1個ずつ急に外側に伸びて花粉をはじき飛ばし、花粉は風で運ばれる(風媒花)。同様の仕組みはクワ科のクワクサでも見られる。雌花は無柄で最上部の葉腋に固まってつくが目立たない。雌花の花被片は4個。
果実は長さ1.5mmほどの広卵形の痩果で花被に包まれ熟すと脱落する。

カテンソウ属の植物は、日本ではほかにシマカテンソウとトウカテンソウがある。
花期:4-5月
分布:本・四・九
撮影:2022.4.5 神奈川県秦野市
カテンソウ-2
(上)蕾の状態 (下)開花時 2008.4.30 東京都八王子市

カテンソウ-3
2017.5.1 神奈川県葉山町

カテンソウの葉
葉の縁に4-7対の鈍鋸歯がある。基部は切形~広いくさび形。 2017.5.1 神奈川県葉山町

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