コメツツジ

コメツツジ(ツツジ科)[米躑躅]

名は白い小さな花の蕾を米粒に見立てたもの。

山地帯~高山帯の日当たりのよい岩場や草地に生える落葉または半常緑低木で高さ0.3-1mになる。
短い枝を密に分けてこんもりとした樹形になり、若い枝には褐色の毛が密生する。
葉は春に萌え出す春葉と夏に出て一部が越冬する夏葉がある。ほぼ無柄で互生するが枝先に輪生状に集まってつき、長さ1-3cm、幅0.5-1.4cmの楕円形で全縁、基部はくさび形で先は赤褐色の腺となり短くとがる。両面や縁、葉柄に淡褐色の長毛が生え、葉脈は網状で主脈がよく目立つ。葉形は変異が多い。
花は枝先の混芽に1-4個散形状につく。花柄は長さ3-4mmで褐色の毛を密生する。花冠は直径0.5-1cm、長さ4-8mmの筒状漏斗形で白色、ときに紅色を帯び、先は4-5裂して平開する。裂片は筒部より長く、内面に毛がある。雄しべは4-5個で長く花外に突き出る。萼片は広卵形で4-5裂する。花柄は長さ3-4mm。※西日本に行くほど4数性の株が多いという。(追記:このように西日本産のものは東日本産のものと形態的異なることが以前から指摘されていた。2019年、遺伝子解析の結果別種とされ、紀伊半島から四国に分布するものはニシノコメツツジ、九州に分布するものはツクシコメツツジと新たに命名された。)
果実は長さ5mmの卵状円錐形の蒴果で有毛。種子は長さ約1mmの長楕円形で褐色。

花冠の縁が紅色を帯びる品種をベニバナコメツツジという。
オオコメツツジは葉が1.5-5cmと長く、3脈が目立つ。花柄は長さ0.5-1.2cm。チョウジコメツツジは花冠が筒状で長く、雄しべが花冠から突き出ない。ハコネコメツツジは花冠が筒形で雄しべが花冠から突き出ず、葯は縦に裂ける。
なお、2019年、
花期:6-8月
分布:北・本(・四・九)
撮影:2009.8.2 岩手県一関市
コメツツジの葉
葉は枝先に輪生状に集まって互生し、楕円形で全縁、先は赤褐色の腺となり短くとがる。 2009.8.2 岩手県一関市

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