コナラ(ブナ科)[小楢] |
名はミズナラ(オオナラ)に比べて葉が小さいことからこの名がある。「ナラ」の由来は定説はないが、しなやかな様を表す古語ナラナラ由来説、葉が長いことからナガラハ(長葉)説、朝鮮語由来説などがある。別名ハハソ、ホウソ、ナラ。 クヌギとともに雑木林を構成する代表的な樹種で、日当たりのよい山野に普通に生え、高さ10-30mになる雌雄同株の落葉高木。 樹皮は灰褐色で、縦に不規則な裂け目があり、裂けた部分は黒っぽく見える。 葉は互生し、長さ6-15cm、幅4-6cmの倒卵形~倒卵状長楕円形で基部はくさび形~円形、先は鋭くとがり、縁に大きなとがった鋸歯がある。側脈は7-14対。表面は緑色でやや光沢があり、若葉には絹毛が密生して銀色に光って見えるが、後に無毛となる。裏面は絹毛と星状毛が生え、灰白色。葉柄は長さ0.5-2cmで伏毛がある。托葉は長さ7mmほどの倒披針形で、開葉後まもなく落ちる。秋の紅葉は赤茶色になる。 花は葉の展開と同時に開花する。雄花序は長さ6-9cmのひも状で絹毛を密生し、本年枝の下部から多数下垂する。雄花は黄褐色で小さく、花被は膜質で外側に軟毛を密生し、不規則に5-7裂する。雄しべは4-8個。雌花序は短くて目立たず、本年枝の上部の葉腋に出て上向し、2-3個の小さな雌花がつく。雌花は軟毛が密生した総苞に包まれている。花柱は3個。 果実は長さ1.5-2.2cmの円柱状長楕円形の堅果(どんぐり)でその年の秋に熟す。殻斗は浅い杯状で、小さな総苞片が鱗片状に密着して並ぶ。 材は薪炭やシイタケ栽培の原木、建築材、家具材、器具材などに利用される。葉や果実、樹皮を染色に用いる。どんぐりはデンプンを多く含むので、飛騨地方では、戦前まであくを抜いた粉をナラ団子などにして食用とした。 ミズナラとよく似ているが、ミズナラは葉柄がごく短く、ないように見える。葉がやや大きく鋸歯はコナラより粗くて大きい。カシワとの自然交雑種はコガシワ(コナラガシワ)といい、葉は両親の中間的な性質を示す。 花期:4-5月 分布:北(西南部)・本・四・九 撮影:2006.6.3 秋田県仙北市 |
若葉は絹毛が密生する。 2017.4.4 横浜市戸塚区 雄花序。 2017.4.20 神奈川県横須賀市 雄花。 2022.4.13 川崎市宮前区 若い果実。殻斗は鱗片状。 2019.7.8 神奈川県藤沢市 堅果は細長い。 2016.10.21 横浜市戸塚区 明らかな葉柄がある。 2006.5.21 秋田県大館市 樹皮は灰褐色で縦に深く裂ける。 2017.5.15 神奈川県横須賀市 |
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