クサボケ(バラ科)[草木瓜] |
庭で栽培されるボケに似ているが、小さくて草のように見えるのでこの名がある。 別名シドミ(果実が酸っぱいことから「酸ドミ」の転)、ジナシ(地面に横たわってナシに似た果実がなることから)、ノボケ、コボケ。 日当たりのよい山地の草原や明るい林内に生える日本特産で雌雄同株の落葉低木で、茎の基部は横にはい、先は斜上して高さ0.3-1mになる。短枝は先が鋭い刺になる。若い枝には粗毛があり、後に基部だけ残って小突起となり、ややざらつく。 葉は長さ0.5-1.3cmの柄があって互生し、長さ3-6cmの倒卵形~広倒卵形で基部は狭いくさび形で先は円く、縁に細かい鈍鋸歯があり、両面とも無毛。1対の扇形の目立つ托葉がある。 花は両性花と雄花があり、しばしば葉より早く直径2.5-3cmの朱赤色の5弁花を2-5個葉腋に集めてつける。萼筒は長さ5-7mmの鐘形で無毛、萼片は楕円形で先は円く、縁に毛がある。雌花では子房が萼筒と合着して下部が膨らむ。花弁は5個、倒卵状円形で基部は細く爪状になる。雄しべは無毛で多数。花柱は無毛で5個。花柄も無毛。 果実は直径3-4cmの扁球形のナシ状果で9-10月に地面に近いところで熟し、完熟すると緑色から黄色に色づく。果肉は木化して硬く、生食できないが、香りがいいので果実酒などに利用される。実を乾燥させたものを和木瓜といい、これを漬け込んだ薬酒を不眠や暑気あたりなどに用いる。 白花品はシロバナクサボケ、八重咲き品はヤエクサボケという。ボケは中国原産の落葉低木で、地際から分かれて株立ち状になり、背も高い。葉先はとがる。果実は大型の楕円形で長さ10cm近くなる。 花期:4-5月 分布:本(宮城県以南)・四・九 撮影:2008.4.28 山梨県都留市 |
2018.4.3 神奈川県茅ヶ崎市 葉の先は円い。1対の托葉がつくので輪生に見える。 2018.4.3 神奈川県茅ヶ崎市 両性花。 2010.3.12 東京都文京区 雄花。 2019.4.9 神奈川県伊勢原市 花弁基部は爪状になる。 2021.4.8 東京都八王子市 完熟した扁球形の果実。 2018.11.8 横浜市戸塚区 |
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