ミツバアケビ

ミツバアケビ(アケビ科)[三葉木通・三葉通草]

属名Akebiaは和名に由来し、和名は、果実が口を開くから「開け実」、果実の色から「朱実」、果実が口を開いた様子が「あくび」に似ているからなど諸説あり、ミツバは小葉が3個あることから。北奥羽ではアケビといえば本種を指す。

山野に普通に生える雌雄同株の落葉つる性木本で、植栽されることもある。樹皮は灰黒褐色で円形の皮目がある。つるはZ巻き(上から見て反時計回り)に巻きつく。
葉は互生し、長さ2-14cmの長い柄がある3出複葉で、古いつるでは短枝に集まってつく。小葉は無毛で長さ3-10cmの卵形~広卵形で先は僅かにへこみ微突起があり、基部は広いくさび形~浅い心形。縁に大きな波状の鋸歯がある。葉は越冬することもある。
葉腋に総状花序が斜めに下垂し、濃紫色~暗紫色の花をつける。花弁はなく、花弁状の萼片が3個ある。花序の先の方に十数個の雄花がつき、基部に1-3個の雌花がつく。雄花は直径4-5mmで雄しべは6個。雌花は直径約1.5cmで円柱形の花柱が3-6個ある。花柄は長さ2-4cm。
果実は長さ約10cmの長楕円形の液果で紫色を帯びて熟し、縦に裂開する。果実はアケビより大きく、食べられる。種子は黒褐色。

同属のアケビは小葉が5個あるので簡単に区別できる。
どちらも山菜として利用され、春の伸び始めたつるは、軽い苦みが絶妙でお浸しや和え物にする。秋の果実はアケビより大きく、果肉は生食、果皮は天ぷらなどにする。また、薬用としては鎮痛や利尿に効果がある。アケビ細工に使用できるのは茎の基部から細く丈夫なつるが出るミツバアケビのみで、アケビは利用できない。
アケビとミツバアケビの自然交雑種をゴヨウアケビといい、小葉は5個または3個あって縁に波状の粗い鋸歯がある。花はミツバアケビよりやや薄い暗紫色。果実はできるものとできないものがある。
花期:4-5月
分布:北・本・四・九
撮影:2017.4.14 横浜市栄区
ミツバアケビ-2
2003.5.25 青森市

ミツバアケビの雄花
雄花は花序の先につく。雄しべは6個。 2018.4.4 横浜市栄区

ミツバアケビの雌花
雌花は花序の基部につく。花柱は3-6個。 2018.4.4 横浜市栄区

ミツバアケビの葉
葉は3出複葉で縁に波状の鋸歯がある。 2021.3.29 横浜市金沢区

ミツバアケビの果実
果実は紫色に熟す。 2005.10.2 秋田県大館市

アケビに戻る


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。