ミズバショウ(サトイモ科)[水芭蕉] |
名は葉が芭蕉布の材料にする中国原産のバショウの葉に似ていることによる。 低山帯~亜高山帯の湿原やまばらな林内の湿地に群生する多年草だが、北国では平地の水田の近くなどにもよく生えていて全く珍しいものではない。「夏の思い出」の歌に出てくるので夏の花だと思っている人がいるが、春一番に咲き出すれっきとした春の花。若葉や果実はクマの好物だという。 大きく真っ白いところは苞(仏炎苞)とよばれる部分で、中の棍棒のような部分が花の集まり。最盛期には香りを放つが、甘い香りと感じる人と悪臭と感じる人に分かれる。草丈は花時には10-15cmだが、花後に葉がぐんぐん伸びて1mほどにもなり、花時の可憐さは全くなくなってしまう。 根茎は太く横にはい、先端に数個の花と茎を出す。 葉は根生して直立して軟らかく網状脈があり、花後に伸びて長さ0.8-1m、幅0.3mの卵形~楕円形で全縁。 花序は高さ10-30cmで、それを半ば囲む仏炎苞は純白。仏炎苞の下部は長い筒形で上部の舷部は先のとがった舟形。 花序は肉質の高さ2mmの円柱状で直径3.5-4mmの小花が多数密につく(肉穂花序という)両性花。花被片は肉質の舟形で4個、上部の縁辺のみ膜質。雄しべは4個で葯は黄色、花糸は長さ2mm、扁平で白色。雌しべは1個で基部は花序の軸に埋まる。花後、仏炎苞は褐色になって落ちる。 果序は長さ12cm、直径5cm。果実は液果で果軸に埋まり緑色に熟し赤くならない。 仏炎苞が2個あるものをオチクラミズバショウとして分けることがあるが、個体変異の範囲内のものだろう。 花期:4-7月 分布:北・本(中部地方以北) 撮影:2010.4.24 青森県六ヶ所村 |
2018.7.2 長野県小谷村 2012.4.22 秋田県仙北市 このような風景は東北地方にはまだ多く残っている。 2012.4.22 秋田県仙北市 |
ザゼンソウに戻る ヒメカイウに戻る リュウキンカに戻る |
検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。 |