オオバタネツケバナ

オオバタネツケバナ(アブラナ科)[大葉種漬花]

名はタネツケバナに似て、小葉が大きいことからついたもの。タネツケバナとは、苗代の準備に種もみを水に漬ける頃に花が咲くことからついた名。

山地の渓流沿いに生え、高さ20-40cmになる越年草または多年草。茎はまばらに毛がある。匐枝を出さない。
葉は互生し奇数羽状複葉で小葉は円形~長楕円形で短い柄があって2-6対つく。小葉の先は円く、側小葉は全縁。頂小葉は側小葉に比べて著しく大きい。小葉の数や形は変異が大きい。
茎頂に総状花序を出し、白色の4弁花を20個程度つける。萼片は4個。花弁は長さ3.5-6mmの倒卵形であまり平開せず、雄しべは6個、雌しべは1個。
果実は長さ1.5-2.5cmの線形で無毛の長角果で斜め上に伸びる。種子は1列で多数、長さ0.8-1mm、幅0.6-0.8mm。

水中に生えた軟らかいものを山菜として利用する。四国の松山ではテイレギとよんで刺身のつまなどに使うが、今ではごく少なくなり市指定の天然記念物となってしまい、仕方なく競合する外来種オランダガラシ(クレソン)を使っているという。
タネツケバナに似るが、本種は頂小葉が側小葉より著しく大きい。東北地方南部以西に分布するミズタガラシにも似るが、本種は匐枝を出さない。
見た目がほぼ同じオオケタネツケバナは、やや大きく、茎、花柄、萼片、長角果に短毛が生えるもの。側小葉も切れ込む傾向がある。分布域が重なるところではどちらともつかないようなものも見つかる。
花期:3-6月
分布:北・本・四・九
撮影:2021.4.6 川崎市多摩区
オオバタネツケバナ-2
山地の渓流沿いに多いが、しばしば湿地や水田でも見られる。 2021.4.6 川崎市多摩区

オオバタネツケバナ-3
花はあまり開かない。 2021.4.6 川崎市多摩区

オオバタネツケバナの葉
側小葉に比べ頂小葉が著しく大きい。 2021.4.6 川崎市多摩区

タネツケバナに戻る オオケタネツケバナに戻る


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。