オオブタクサ(キク科)[大豚草] |
ブタクサに似ているが大型なのでこの名があり、葉の形が桑の葉に似ているので別名クワモドキという。昭和28年(1953年)に静岡県清水港で初めて採集されたものにクワモドキの名がつけられたので、和名としてはクワモドキのほうが古い。 北アメリカ原産の帰化植物で高さ1.5-4mになる1年草。原産地では6mに達するものもあるという。樹木やつる草ならいざ知らず、短期間に生育を終える1年草で6mまで達するとは驚きの生長スピードである。各地の原野や河原、湿地などに広がって群落をつくり、大量の花粉をまき散らす風媒植物であり、花粉症の主要原因植物。生態系被害防止外来種リスト掲載種で、重点対策外来種指定。さらに日本生態学会が定めた日本の侵略的外来種ワースト100にも選ばれている。 オオブタクサの破竹の勢いに主に影響を受けたのはほかならぬブタクサであるといい、そういえば最近は前の勢いがなくなったような気もする。しかし、人間や在来の植生に対する影響はオオブタクサのほうが格段に大きい。 茎は太く、直立して枝を分け、全体に粗い毛があってざらつく。 葉は長い柄があって全て対生し、ブタクサのように羽状に細かく裂けず、長さ幅とも20-35cmで生長すると掌状に3-5中裂し、裂片は披針形~卵状披針形で鋭尖頭、縁は不規則な細鋸歯があり、両面とも硬い短毛があってざらつく。 雌雄同株で雄頭花は茎頂の長さ5-20cmの総状花序につき、花序の下の葉腋に数個の雌頭花が塊状にまとまってつく。雄頭花の総苞片は合着して笠形となり、中に12-18個の黄色の筒状花が下向きにつき、莫大な量の花粉をまき散らす。葯は離生、雌しべは不稔。雌頭花の総苞片は合着して壺形になり、花冠のない雌花1個を入れる。花柱は2裂して総苞の外に伸びる。 果実は痩果だが、肥厚して硬化した総苞に包まれて長さ0.7-1cmの倒卵形の偽果となり、先は角状でその基部に4-8個の刺状の突起がある。 生長しても葉が分裂しないものがあり、マルバクワモドキとよばれるがYListでは区別していない。 花期:8-10月 分布:帰化植物 撮影:2005.9.4 青森県八戸市 |
大量の花粉を用意している雄花。 2005.9.4 青森県八戸市 一つの頭花に12-18個の筒状花がつく。 2018.9.28 神奈川県横須賀市 上部の葉(左)は切れ込まず、中下部の葉(右)は3-5裂する。 2022.8.31 神奈川県平塚市 |
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