サンゴジュ（ガマズミ科）

サンゴジュ（ガマズミ科）［珊瑚樹］

名は、果序の枝と果実が赤くなるのをサンゴに見立てたもの。

沿海の林内の谷筋に生える常緑小高木～高木で、高さはふつう5-6mで大きいものは20mになる。庭木や盆栽、生け垣、防風林として植栽される。樹皮は灰褐色で粒状の皮目が目立つ。
葉は対生し、長さ8-20cm、幅4-8cmの楕円形～長楕円形で基部はくさび形で先はとがるかまたは円いものもある。縁は全縁または低い波状鋸歯がある。表面は暗緑色で無毛、質は厚く光沢があり、裏面は淡暗緑色で全体に細かい腺点があり脈腋に星状毛が生える。葉柄は長さ1.5-4.5cmで太く、赤みを帯びる。
枝先に長さ5-16cm、幅8-16cmの大きな円錐花序を出し、芳香のある小さな白色の花を多数つける。萼片は5個。花冠は直径6-8mm、短い高坏（たかつき）状で先が5裂し、裂片は広卵形で平開～反曲する。雄しべは5個で花筒から突き出る。葯は長楕円形で黄色。花柱はごく短く、緑色。柱頭はやや3裂する。
果実は長さ7-9mmの楕円形～卵形の核果で、夏に赤くなり、その後完熟して黒くなる。核は長さ6-7mmで1本の縦溝がある。

ゴモジュは低木で枝葉が密に茂る。花は冬から春にかけて咲き、葉は楕円形で先は円みを帯びる。花序は小さく、果実は6月に熟す。ハクサンボクは花は3-4月に咲く。葉先が円く、基部は広いくさび形～切形～浅い心形。