セッコク(ラン科)[石斛] |
名は漢名の石斛を音読した「セキコク」が転訛したもの。 沢沿いや湿度の高いところの老木の樹上や岩上に着生する常緑の多年草。根は多数が露出し、茎は多肉、長さ5-25cmの円柱形で根元から多数束生する。茎に多数の節があり、節間に縦筋がある。 葉は2-3年生で数個互生し、長さ3-6cm、幅0.5-1cmの広披針形でやや鈍頭、革質で光沢がある。基部は膜質の葉鞘となって節間を包む。 前年の葉が落ちた茎の上部の節から花茎を出し、直径3cmほどで芳香のある白色~淡紅色の花を1-2個つける。後ろの3個の萼片は長さ2.2-2.5cm、背萼片は披針形で鋭頭、側萼片は基部が斜めに広がり距状の顎をつくる。横に張り出した2個の側花弁は背萼片と同形で少し短い。唇弁は側花弁とほぼ同長で狭卵状3角形でやや鋭頭、基部は狭くなって蕊柱を抱え、中央に多数の短毛がある。蕊柱は短く、葯は楕円形で淡黄色で蠟質の花粉塊を4個入れる。 ふつう木の上の高いところに生えているのでなかなか近寄って見ることができないランである。 下の画像は不時現象で秋に咲いていたもの。セッコクに限らず猛暑などの異常気象があった年は不時現象が起きやすいという。漢方では開花前の全草を干して消炎、強壮に用いる。江戸時代には長生蘭とよばれて、葉の変異品が珍重された。 沖縄県に自生するオキナワセッコクは、茎が長く70cmになり、下垂して花が大きい。キバナノセッコクは茎は下垂し、花茎あたり3-8個の淡黄緑色の花をつける。唇弁中央に紅色の斑紋がある。 花期:5-6月 分布:本(岩手県・新潟県以南)・四・九 撮影:2008.5.5 神奈川県鎌倉市 |
不時現象で秋に咲いた花。 2007.10.6 神奈川県鎌倉市 |
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