スズラン(クサスギカズラ科)[鈴蘭] |
鈴をつるしたようなかわいらしい花をつけるのでこの名があり、山地の明るい草原や牧場に群生する。「ラン」の名はあってももちろんラン科ではなく、クサスギカズラ科の花。花は葉の陰に隠れるように咲き、この姿からキミカゲソウ(君影草)の別名がある。 花には芳香があり、香水にも利用されるが、コンバラトキシンを含む有毒植物で、死亡例もあるので決して食べてはいけない。活けた水も飲んではいけない。牛馬はこれをよく知っていて、牧場に生えるスズランを食べることはない。 名が知られている割に自生地は少なく、ふつう庭に植栽されるのは欧州産のドイツスズランで、花茎が葉と同じくらいに高く伸び、花冠は浅い鐘形で葯は淡緑色。花の香りは強い。 細長く横走する根茎があって群生する多年草。葉は2個が根生し、長さ10-18cm、幅3-7cmの長楕円形~卵形で全縁、先はとがる。両面とも無毛で表面は緑色、裏面はやや粉白を帯びる。葉柄は長さ8-20cmで直立し、鞘状の偽茎をつくる。 花茎は偽茎とは別に立ち、高さ15-35cm、葉より短くやや曲がる。花茎と偽茎の下部は数個の白い膜質の葉鞘に包まれ、さらにその基部は前年の葉の繊維で包まれる。花序は長さ5-10cmの総状で、5-10個の白色の花が下向きに咲く。苞は広線形~披針形、膜質で早落性。花柄は長さ0.6-1.2cm。花は長さ6-8mm、幅1cm、花被片は上部まで合着して広鐘形になり、先が6裂して裂片は長さ2mmの卵状3角形で鈍頭、反り返る。雄しべは6個で花被より短く、基部で花被片につき、花糸は長さ約1.5mm、葯は鮮黄色、広3角状披針形で花糸と同長。子房は上位で3室、花柱は1個で長さ3-4mm。 果実は直径6-8mmの球形の液果で赤熟する。 花期:4-6月 分布:北・本・九 撮影:2011.6.5 秋田県大館市 |
花茎は葉よりずっと短い。 2003.6.15 岩手県玉山村 |
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