シュッコンバーベナ

シュッコンバーベナ(クマツヅラ科)[宿根Verbena]

クマツヅラ属(バーベナ属)のうち、多年草(宿根草)なのでこの名がある。別名ツルタチバーベナシュクコンバーベナという。バーベナ・リギダ(Verbena rigida)の名でも流通している。なお、別種ヒメビジョザクラ(Glandularia tenera)はクマツヅラ属とされたこともあった(Verbena tenera)ため、今でもシュッコンバーベナの名でよばれることもあるので注意が必要。

南アメリカ原産で明治時代末期に観賞用として移入された多年草。地下に長い根茎が横に伸び、茎は直立して高さ15-50cmになる。茎は鈍い四稜形で開出した毛を密生する。園芸品がしばしば逸出して道端や荒れ地で野生化しているが、まだそれほど多くはない。
葉は無柄で対生し、中部以上のものは長さ5-10cm、幅1-2cmの長披針形で、最大幅が中央付近にあり、縁に少数の歯牙状の鋸歯がある。先は鋭くとがり基部は茎を抱く。葉脈は細脈まで明瞭。質はやや硬くて両面に毛があってざらつく。
茎頂や分枝した先にに密に詰まった短い穂状の花序を出す。花はほぼ無柄で、基部に萼の長さのほぼ2倍で芒状に開出する苞が1個ある。花冠筒部は紅紫色で長さ約1cm、花冠の先は5裂して裂片は狭3角形で平開し、直径0.5-1cm、外面に縮れた短毛がある。萼は花冠の1/3長で先は5裂し、裂片は狭3角形、外面に硬い毛を密生、果時に強く膨らむ。
果実は4分果で、分果は長さ1.5mmほど、背面に縦に走る筋が3本ほどあり、腹面は白色~黄灰色で細点を密生する。

似ているアレチハナガサヤナギハナガサは草丈がはるかに高く、1-2mになる。花の基部の苞は萼と同長か短い。
花期:5-11月
分布:帰化(園芸)植物
撮影:2023.11.30 横浜市保土ケ谷区
シュッコンバーベナ-2
苞は萼の2倍長。 2023.11.30 横浜市保土ケ谷区

シュッコンバーベナ-3
花冠は0.5-1cm、5裂して平開する。 2023.11.30 横浜市保土ケ谷区

シュッコンバーベナ-4
穂状花序は短い。 2023.11.30 横浜市保土ケ谷区

シュッコンバーベナの葉
縁に歯牙状の鋸歯がある。 2023.11.30 横浜市保土ケ谷区

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