シュロソウ(シュロソウ科)[棕櫚草] |
茎の基部に古くなった葉鞘がシュロ状に残るのでこの名がある。別名オオシュロソウという。この仲間は環境によって形態に変化が多く、同定も難しい。アオヤギソウの変種で、花の色が暗紫褐色のものをいう。 山地の湿った草地や林下に生える多年草で、茎は縮毛が生え高さ0.5-1mになり、名の基になったように、茎の基部に古い葉鞘が腐って残ったシュロ毛状の繊維がある。 葉は茎の下部に集まり、長さ20-30cm、幅6-10cmの長楕円形~卵状長楕円形でしわ状の平行脈があって無毛、下部は次第に狭くなり、基部は鞘になって茎を包む。葉の先は次第にとがる。 茎頂に縮毛が密生した円錐花序をつけ、暗紫褐色の花を多数つけて横向きに咲く。花序の大きさや花序の苞の長さなどに変化が多い。花柄は長さ0.4-1cm。花は雄花と両性花があり、直径0.8-1cm、花被片は6個あり、長さ5mmほどの長楕円状倒披針形で基部は粘る。雄しべは6個で花被片の半長。子房は上位、花柱は3個で内面に柱頭がある。 果実は長さ約1-1.5cmの楕円形の蒴果で縦に3裂する。 開花前の根茎を干したものを藜蘆(りろ)といい、農業用殺虫剤とする。かつては便所のうじ虫の駆虫や家畜のシラミの駆除にも使用した。 高山型をムラサキタカネアオヤギソウ(タカネシュロソウ)という。基本種のホソバシュロソウは関東地方以西に生え、小型で葉の幅が3cm以下と細く、花柄は1-1.7cmと長い。花被は暗褐色で蒴果は2cmほど。 花期:6-8月 分布:北・本 撮影:2003.6.19 青森県八戸市 |
花序に縮毛が多い。八戸市の海岸で撮影したものだが赤みが強い。 2003.6.19 青森県八戸市 ふつう花は暗紫褐色。 2017.8.28 横浜市緑区 2017.8.28 横浜市緑区 葉は縦のしわが多い。 2017.8.28 横浜市緑区 果実は楕円形の蒴果で縦に3裂する。 2022.10.28 横浜市緑区 |
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