タイワンホトトギス(ユリ科)[台湾杜鵑草] |
ホトトギスによく似ていて、台湾が原産なのでこの名がある。 台湾のほか、日本では西表島のみに自生する多年草。広く栽培され、ときに人家周辺や林縁で茂っているのが見られる。本来は山地のやや湿った場所に生え、西表島産のものは環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠA類(CR)。各地で栽培されているものの、出自が台湾なのか西表島かは不明。ホトトギスとの園芸交配種も多く、それがよく栽培されている印象がある。 茎に開出毛があってよく分枝し、高さ50-80cmになる。盛んに根茎を横に伸ばして殖える。 葉は互生し、長さ5-20cm、幅3-5cmの長楕円状披針形で光沢がある。基部は細くなって鞘状に茎を抱く。表面は無毛で裏面は毛がある。 葉腋から集散状に花序を出し、1-2回分枝して花を上向きにつける。花がホトトギスよりも多いので華やかな印象がある。花被片は6個。内花被片3個は長さ2-2.4cm、幅4mmの線状披針形、外花被片3個は長さ2.2-2.5cm、幅6-8mmの倒披針形で斜開し、地色がピンクで紅紫色の斑点が多数ある。ホトトギスの仲間は外花被片の基部に蜜を貯める2個の丸い膨らみがあるが、本種ではそれが特に目立つ。雄しべは6個で花糸は赤紫色の斑点があり、葯は暗紫色。子房は無毛、花柱は大きく3裂し、さらに2裂する。 果実は3片に裂ける蒴果。 よく似たホトトギスは、花が葉腋に1個つくか2-3個が束生する。 花期:9-11月 分布:沖(西表島) 撮影:2021.10.24 神奈川県鎌倉市 |
よく分枝した花柄の先に地が紅紫色の花をつける。 2021.11.28 横浜市中区 外花被片の基部の球状の膨らみがよく目立つのが特徴。 2021.11.28 横浜市中区 茎に開出毛が生える。葉の基部は鞘状に茎を抱く。 2021.11.28 横浜市中区 葉の表面につやがある。 2021.12.16 横浜市中区 果実は3つに裂ける蒴果。 2021.12.16 横浜市中区 |
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