チチコグサ

チチコグサ(キク科)[父子草]

名は、全体がハハコグサ(母子草)に似るが、細身で貧弱なことから「父」の字を当てたもの。なぜ父が貧弱なのかと言われそうだが、母はふくよか、父はスラリというイメージから名付けられたものと思われる。分布は日本全土とされるが、ハハコグサほど普通に見られるものではない。北海道では渡島地方でまれに見られるのみ。

道端や乾燥した芝地などに生える多年草で、茎は根生葉の間から数本出て、分枝せず高さ10-25cmになる。茎には綿毛が密生して上部では真っ白く見える。
根元から短い走出枝を出して殖える。
根生葉はロゼット状に束生し、長さ3-8cm、幅4-7mmの線状披針形で花期にも残る。葉身は全縁で綿毛が表面に薄く、裏面に密に生え白く見える。この様子が漢名の「青天地白」の基となっている。茎葉はまばらに互生する。
茎頂に暗紫褐色の頭花を密集してつける。花序の基部に披針形の苞葉が3-5個放射状につく。総苞は長さ5mmの鐘形で、筒状花とともに暗紫褐色を帯びる。
痩果には白色の冠毛がある。

葉がよく似たホソバノチチコグサモドキは、茎の上半部の葉腋から数段にわたって花序を出すので見分けることができる。チチコグサモドキは、花序の付き方はホソバノチチコグサモドキと同じようだが、葉は先が広いへら形。
花期:5-10月
分布:日本全土
撮影:2011.6.5 秋田県男鹿市

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