トガクシソウ(メギ科)[戸隠草] |
明治17年(1884年)頃に戸隠山で発見されたのでこの名がある。別名トガクシショウマという。環境省レッドリスト準絶滅危惧(NT)。希少な植物であり、これを撮影した山域でもこの場所以外では見かけなかった。北限は青森県。 低山帯~亜高山帯のブナ林内などの急な斜面に生える、日本特産で1属1種の多年草。茎や葉は無毛で高さは30-50cmになる。根茎は節が多く横にはい、多数のひげ根がある。 根生葉はなく、茎の先に長い柄のある1対の3出複葉が対生する。小葉は長さ幅とも8-12cmの円形で、欠刻状に浅~中裂する。先はとがり基部は心形。 対生する葉の間から花序を出し、葉の展開とともふつう葉より低い位置で直径2.5cmほどの淡紫色の花が下向きに1-5個開く。花柄は4-8cmで花後に10cmほどに伸びる。萼片は9個で、うち3個の外萼片は花時に落ち、6個の内萼片が花弁状に残る。本当の花弁は中心部の6個の白い部分で、先は2裂し基部に2個の蜜腺がある。花後に花柄は伸びて10cm以上になる。雄しべは6個で触れると内側に曲がる。雌しべは1個。 果実は長さ1.8cmの楕円形で白色の液果で7月に熟す。種子は長さ約3mm。種子にはアリの好むエライオソームがつき、種子はアリによって運ばれる。 花期:5-6月 分布:本(中部地方以北) 撮影:1999.5.23 岩手県北上市 |
茎の先に長い柄のある1対の3出複葉が対生する。 1999.5.23 岩手県北上市 |
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