トンボソウ(ラン科)[蜻蛉草] |
名は花の姿をトンボに見立てたもの。 山地の湿った林内に群落をつくって生え、高さ15-35cmになる地生の多年草。 葉は互生し下部に2個あり、長さ5-10cm、幅1-3cmの狭長楕円形~倒披針形でやや弓なりに曲がり、上部に数個の披針形の鱗片葉がある。花をつけない株の葉は1個のみ。 茎頂の長さ3-10cmの総状花序に淡黄緑色の目立たない小さな花を多数つける。苞は緑色で狭披針形。背萼片は長さ約2mmの広楕円形、側萼片は狭長楕円形。側花弁は狭卵形で背萼片と同長でともにかぶと状に丸まって蕊柱を囲む。唇弁は黄緑白色、長さ4mmの舌状で下前方に伸びる。唇弁の基部の両側に耳状の裂片があり、裂片は鈍頭。唇弁の距は長さ0.5-1cmで下に垂れる。蕊柱は短く、葯室は紫褐色で平行し、中間に不明瞭な突起がある。花粉塊は倒卵形で2個、粉質。果実は蒴果。 沖縄に生えるクニガミトンボソウは葉が細く幅5-8mm。ヒロハトンボソウは葉がやや広く、唇弁の基部の両側の耳状裂片は鋭頭。距は長さ1cmほど。イイヌマムカゴは距は短い棍棒状で長さ1-1.5mm。 花期:7-8月 分布:北・本・四・九 撮影:2006.7.23 岩手県久慈市 |
唇弁の基部の両側の耳状裂片は鈍頭。 2006.7.23 岩手県久慈市 |
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