ツクバキンモンソウ(シソ科)[筑波金紋草] |
名は、金紋草(ニシキゴロモのこと)によく似ていて筑波山で見つかったことによる。 ニシキゴロモの変種で、日当りのよい丘陵地の林縁などに生え、高さ5-15cmになる多年草。走出枝は出さない。 ニシキゴロモが主に日本海側に生えるのに対し、これは岩手県以南の主に太平洋側に分布する。関東地方以西と書いてある図鑑が多いが誤り。東京都では極めて少なく、絶滅危惧ⅠB類(南多摩)とされている。 葉は長さ1-3cmの柄があって数対が対生し、長さ2-6cm、幅1-3cmの長楕円形~広卵形で縁に鈍い鋸歯があり、基部はくさび形、先は円い。葉脈がはっきりと濃い赤紫色になり、葉裏は全体が赤紫色になる。両面に毛がある。 花穂はなく、葉腋に2-6個の淡紫色~白色の花をつける。萼は長さ約6mmで先が5裂し、毛がある。花冠は長さ1cmほどの筒部がある唇形で、下唇が大きく、3裂して中裂片が特に大きく切形で平開する。上唇は直立してごく短く、長さ1mmの半円形で2浅裂する。雄しべは4個2が長く、花外に突き出て花冠の上からはっきりと見える。柱頭は2裂する。 果実は4分果で分果は倒卵形。 ただ、葉だけでは決め手にならず、何よりもニシキゴロモは花冠上唇が3mmほどあってはっきり上唇が分かるのに対し、本種はせいぜい1mmほどと極めて短く、雄しべがむき出しになっていることで判断する。 花期:4-5月 分布:本(岩手県以南の太平洋側)・四 撮影:2008.4.30 東京都八王子市 |
花冠上唇がほとんど発達していないことがニシキゴロモとの区別点。ニシキゴロモの上唇は動物の耳状に伸びる。 2004.5.7 群馬県黒保根村 葉の表面は脈が濃い赤紫色になる。 2021.3.30 横浜市緑区 葉裏は全体赤紫色。 2021.3.30 横浜市緑区 |
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