ツルドクダミ(タデ科)[蔓蕺草] |
つるにドクダミに似た葉がつくのでこの名がある。漢名は何首烏(かしゅう)という。 江戸時代(1720年=享保5年)に不老長寿の薬として長崎経由で江戸に移入された中国原産のつる性多年草で、現在では人里の道端や生け垣などに野生化している。生態系被害防止外来種。 茎は無毛で基部は木質化し、分枝して他物に絡みながら3m以上に伸びる。根茎は横にはい、サツマイモに似た太く硬い赤みを帯びた塊茎となる。 葉は長い葉柄があって互生し、葉柄の基部近くに関節があってここから落ちやすい。長さ3-9cm、幅2-6cmの卵形~広卵形で先は鋭くとがり、基部は心形で裂片は円形~鈍形。質は薄く、表面脈上に小突起があるほかは両面とも無毛。托葉鞘は長さ0.5-1.5cmの筒状、膜質で縁毛はなく小突起がある。 葉腋から大きな円錐花序を出して、多数の雄花と雌花を混生してつける。花序の枝には密に小突起がある。花被は緑白色~紅色、直径1.5-2mmで5深裂し花被片は円形。雌花の外側の花被片3個は花後に中肋から翼が発達し、全形は長さ6-8mmの倒卵状心形となって痩果を包む。雄しべは8個で葯は白色。花柱は短く、3裂して頂部に楯状の柱頭がつく。 痩果は翼が発達した3個の花被片に包まれ、長さ2-2.5mmの鋭い3稜形で暗褐色で光沢がある。 本来は不老長寿の薬と考えて栽培されたが、そのような薬効はないので次第に廃れた。塊茎を輪切りにして乾燥させたものを何首烏(かしゅう)といい、煎じて緩下剤とする。 花期:8-10月 分布:帰化植物 撮影:2019.10.10 神奈川県三浦市 |
他の草や低木を被うように絡む。 2019.10.10 神奈川県三浦市 雄花と雌花が同一の花序に雑居する。 2019.10.10 神奈川県三浦市 雌花の外側の花被片3個は花後に中肋から翼が発達する。 2019.10.10 神奈川県三浦市 名はつる性で葉がドクダミに似ていることから。 2019.10.10 神奈川県三浦市 痩果は3稜形で翼が発達した3個の花被片に包まれる。 2022.10.17 横浜市中区 |
ニガカシュウに戻る |
検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。 |