ヤブタビラコ

ヤブタビラコ(キク科)[藪田平子]

名は、コオニタビラコ(タビラコ)に似て、日陰のやぶに生えることからついたもの。

人里の日陰の道端や林縁に生える軟らかい越年草で、茎は細く、斜上または倒れて伸び、高さ20-30cmになる。全体に軟毛が多いが、無毛のものもある。
根生葉はやや立ち上がり、長さ5-15cm、幅1.5-3cmで羽状深裂し、頂裂片が特に大きくて目立つ。茎葉は小さく、互生する。
上部で分枝して先端のまばらな円錐花序に黄色の頭花をつける。頭花は直径7-8mmで20個ほどの舌状花だけからなる。総苞は円筒形、内片は7-8個、外片は鱗片状。花後に頭花は下向きになり、総苞が膨れて卵球形になる。
痩果は長さ2.5mmで、冠毛がなく先端に角状の突起がない。

写真を撮りにくい植物で、ふつう花茎が倒れているので全体を撮ろうとすると花が画面の端に来る。
オニタビラコとの自然交雑種をオニヤブタビラコという。オニタビラコは日当りのよい道端に生え、花茎が直立する。コオニタビラコはよく似ているが、根生葉は地に伏し、頭花は直径1cmほどとやや大きく、舌状花は6-11個と少ない。痩果に角状の突起がある。
花期:4-7月
分布:北・本・四・九
撮影:2015.4.22 横浜市中区
ヤブタビラコ-2
花茎は倒れながら伸びる。 2015.4.22 横浜市中区

ヤブタビラコの頭花
頭花は20個ほどの舌状花のみからなる。 2022.4.13 川崎市宮前区

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