ユウスゲ(ワスレグサ科)[夕菅・夕萓] |
葉がカヤツリグサ科スゲ属の葉に似ていて、夕方に花を開くのでこの名がある。キスゲというのは花の色が赤みのない淡黄色のこの花のことを指す。 山地のやや乾いたススキ草原や林縁に生える多年草で、花茎の高さ1-1.5mになる。地下に短い根茎がある。根は多数あって紡錘状の膨らみはない。 葉は根生し、長さ40-60cm、幅0.7-1.5cmの線形で2列袴状に並び、斜上して上部は垂れる。全体無毛で先は鋭くとがる。 花茎は無毛で長く、上部に長さ2-3cmの披針形の苞がある。苞の腋から2叉状に分枝した花序を出し、多数の花が次々と斜上して咲く。花柄は長さ1-1.5cm。花は夕暮れに開き、翌日午前中に閉じる一日花。花被の色は闇の中でも目立つレモンイエローで、咲き始めはほのかに芳香があり、夜行性の昆虫を誘う。花被裂片は6個、長さ6.5-7.5cm、花筒は長さ2.5-3cm。雄しべは6個で花筒の上端につき、花被片より短く、葯は黒紫色。子房は上位3室、花柱は雄しべより少し長い。 果実は長さ2-3cmの3稜のある広楕円形の蒴果で胞背裂開する。種子は長さ約5mmの卵形でつやがある黒色。 ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)と混生することもあるが、ゼンテイカは湿地など湿ったところを好み、花被は濃黄橙色で朝に開きその日の夕方あるいは翌日の夕方に閉じる。芳香はない。東京都府中市の浅間山公園にあるムサシノワスレグサはノカンゾウのユウスゲの雑種起源といわれる。 花期:7-9月 分布:本・四・九 撮影:1977.7.30 山梨県小淵沢町 |
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