エゾマツムシソウ(スイカズラ科)[蝦夷松虫草] |
山地や海岸の岩場、海食崖の上の草地や礫地に生え、高さ20-40cmになる越年草または多年草。北海道と青森県のごく限られた場所に生える。 地下に根茎があり、地上茎には軟毛がある。葉は長さ5-10cmで対生し、葉身中部より下は羽状に裂け、裂片の先はとがる。長い茎の先に直径3-5cmの青紫色の花を1個つける。 頭花の中心部は筒状花冠、周辺部は下唇が大きい上下2唇花冠で、上唇は小さく2裂、下唇は3裂する。雄しべは4個で長く、花冠から突き出る。花柱は細く、先は頭状。 果実は痩果で萼裂片が宿存する。 普通の環境では、草丈も高く葉は羽状に裂け、裂片の先はとがる。しかしこの場所のように崖中の極度の風衝地では、高さは低く、茎葉は葉先の裂片が格別に大きく、粗い鋸歯があり、裂片はとがらない。この写真の撮影地も海岸から僅か20mほどで、高さ20-30mのザラザラした崖の中腹の岩棚で、到達するためにザイルが必要になるほどの場所。なんとか無事たどり着いて撮影した。そこではイブキジャコウソウとともに矮小化したエゾマツムシソウが張りつくように咲いていた。花茎の高さは20cmしかなかった。なお、ここがエゾマツムシソウの南限地と思われ、通常南限といわれている場所のさらに南に隣接した自治体の区域にある。 花期:8-9月 分布:北・本(青森県) 撮影:2006.8.26 青森県西北部 |
海食崖の上の風衝地では背は低く、高さ10-20cm程度。 2006.8.26 青森県西北部 頭花中心部の花冠は筒状、周辺部は大きく、2唇形で下唇は3裂する。 2006.8.26 青森県西北部 |
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