ハイマツ(マツ科)[這松] |
名は、幹が地面をはって伸びることからついたもの。 西限は加賀白山、南限は南アルプス南部の信濃俣。かつて生育していた丸盆岳では絶滅したようである。富士山などの新しい火山には生育を見ない。 高山帯の乾燥した風衝地に群生する雌雄同株の常緑低木で、幹はよく分枝して横にはうように伸び、ところどころに根を下ろしながら風下に生長する。長さ8-15mに達し、高さは0.3-1m、風の弱いところでは立ち上がり、高さ2-3mになる。生長は極めて遅く、幹が直径10cmになるのに百年かかるという。根元が白骨化しても枝の先端は伸びていく。若枝には赤褐色の短毛が密生する。古い樹皮は黒褐色で薄く剥がれ落ちる。 葉は長さ3-9cm、直径0.5-1mmの3稜のある針形で、短枝に5本が1束になって束生する。まばらな微鋸歯があり、側面に白い気孔帯がある。上面は深緑色、下面は帯白緑色。 花は6-7月に開花し、雄花は紅色の卵状楕円形で本年枝の中部~基部に多数つく。らせん状に並んだ鱗片状の雄しべが多数あり、雄しべの基部に2個の葯室がつき、黄色い花粉を出す。 雌花は紫紅色の卵状楕円形で本年枝の上部に2個が対生または3個以上が輪生してつき、短い柄がある。らせん状に並んだ鱗片状の雌しべがあり、雌しべの基部に2個の胚珠がつく。 果実は長さ3-5cmの卵状楕円形の球果で、初め緑色、翌年の夏~秋に成熟して暗緑色~褐色になって落ちる。熟しても種鱗は開かない。種鱗は広卵形で内側に2個のくぼみがあり、2個の黒い種子が並ぶ。種子は長さ0.8-1.2cmの倒卵形で翼はない。 北海道に生え、幹が立ち上がり、葉が長く種子も大きいものをエゾハイマツというがYListでは区別していない。 花期:6-7月 分布:北・本(中部地方以北) 撮影:2002.8.2 長野県大町市 |
2004.9.4 岩手県松尾村 |
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