コケモモ(ツツジ科)[苔桃] |
その小さな姿を苔に、丸く赤い実を桃に見立ててこの名がある。桃は方言で「木の実」を意味するとの説もある。 亜高山帯~高山帯のハイマツの下や岩混じりの草地に生える高さ5-15cmの常緑小低木。根茎は地中をはい、地上の枝はよく分枝してマット状に広がる。 葉は密に互生し、長さ0.8-2.5cm、幅0.5-1.3cmの長楕円形~倒卵形でほぼ全縁、先は円形またはややへこみ短い腺が突出する。質が厚く、表面は深緑色で光沢があり、裏面に鱗片状の毛がある。葉柄は長さ1mm。 初夏、前年枝の先端の葉腋に短い総状花序を出し、紅色を帯びた白い花を2-8個下向きにつける。花色は同じ山でも白いものから赤みの強いものまで変化がある。花冠は長さ3-7mmの鐘形で、先は4浅裂し、やや外側に開く。雄しべは8個あり、雌しべは1個で花外に突き出る。萼は赤く、4裂する。花柄の基部に広卵形の苞が1個、中部に2個の小苞がある。 果実は直径5-8mmの球形の液果で、赤く熟したその実は甘酸っぱく、富士山ではハマナシ、北海道ではフレップ、北アメリカに産する変種はマウンテン・クランベリーとよばれて親しまれており、生食やジャム、ゼリー、羊羹、果実酒、塩漬けなどにして利用されている。 葉がコメバツガザクラに似るが、コケモモは互生し、コメバツガザクラは3輪生することで見分ける。ツルコケモモはクランベリーと近縁で、高層湿原のミズゴケの中を茎がはい、アクシバと似た花をつける。 花期:6-8月 分布:北・本(中部地方以北)・四・九 撮影:2004.6.27 秋田県田沢湖町 |
花冠や萼は紅色を帯びる。 2004.6.27 秋田県田沢湖町 果実は赤く熟し、食べられる。 2001.8.18 青森市 葉は密に互生し、質が厚く、表面は深緑色で光沢がある。先は円形またはややへこむ。 2001.8.18 青森市 |
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