ハクサンシャジン

ハクサンシャジン(キキョウ科)[白山沙参]

名は、 平地に咲くツリガネニンジンの高山型であり、ツリガネニンジンの漢名をシャジンといい、タイプ標本(新種発表時にもとになった標本)が白山産であったことからついたもの。東北地方の高山に普通に見られる。 母種は中国地方以西に分布するサイヨウシャジン。別名タカネツリガネニンジンという。

亜高山帯~高山帯の草地や礫地に多い多年草で高さ30-50cmになる。茎に白毛が生える。
葉は無毛で無柄、両端がとがった長さ3-7cm、幅1-2cmの卵状披針形で縁に基部付近を除き鋭鋸歯があり、節ごとに3-4個、ときに5個が輪生し、茎の中部の葉が一番大きく上部ほど小さい。
茎の上部に淡紫色の花を下向きに3-6個ずつ2-3段輪生する。ツリガネニンジンより花序の柄が短く、花が密集して咲き、花の色も濃い。花冠は長さ1.4-1.7cmの広鐘形で先は5裂する。雄しべは5個。花柱は花冠より長く突き出て、基部は円筒状の花盤(腺体)に囲まれる。萼裂片は長さ3mmほどの線形で全縁または1-2個の突起状の鋸歯がある。花色の濃さは変化が大きい。
果実は扁球形の蒴果。

白花品はシロバナハクサンシャジンという。よく似たヒメシャジンは葉が互生する。
花期:7-8月
分布:北・本(中部地方以北)
撮影:2013.8.11 岩手県八幡平市
ハクサンシャジン-2
礫地にも生える。 2009.8.2 岩手県一関市

ハクサンシャジン-3
萼裂片は線形。 2013.8.11 岩手県八幡平市

ハクサンシャジンの葉
節ごとに3-5個の葉が輪生する。 2013.8.11 岩手県八幡平市

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