ヒロハコンロンソウ

ヒロハコンロンソウ(アブラナ科)[広葉崑崙草]

名は、コンロンソウに似ているが葉幅が広いことからついたもの。日光湯元の蓼の湖(たでのうみ)で採集されたので別名タデノウミコンロンソウというが、飯沼慾斎の「草木図説」にはすでに掲載されていたものだという。

山地の谷あいの水湿地に生える多年草で、茎は無毛で軟らかく稜があり、分枝して高さ30-50cmになる。まっすぐ立っているものは少なく、根元を水が流れていることも多い。根茎は白く、長く横に伸びる。
葉は長い柄がある奇数羽状複葉で互生する。小葉は同形で5-7個あり、長さ4-10cm、幅1-2.5cmの卵状楕円形で縁に粗い鋸歯があり、先はゆるくとがり表面に短毛があり裏面は無毛。葉柄の基部は耳状に茎を抱く。
茎頂に総状花序を出し、直径1cmほどの白色の花をややまばらに十数個つける。花序は無毛。萼片は長卵形で4個、花弁の半長でふつう有毛。花弁も4個、長さ約8mmの長卵形。雄しべは6個でうち4個の長い。雌しべは1個で子房は上位。
果実は長さ2-3cmの長卵形で上部は細まる。熟すと果皮がらせん状に巻き、種子を飛ばす。種子は長さ約2mmで1列に並ぶ。

コンロンソウはヒロハコンロンソウよりも流れから離れたところに生える。小葉が細く先は鋭くとがり、裏面に短毛が多く、葉柄の基部は茎を抱かない。花序は有毛。マルバコンロンソウは林内に生え、小葉は円形~広卵形。ミツバコンロンソウは3小葉。
花期:4-6月
分布:本(中部地方~宮城・山形県)
撮影:2018.4.26 東京都八王子市
ヒロハコンロンソウの花
花はアブラナ科に共通した十字形花。 2018.4.26 東京都八王子市

ヒロハコンロンソウの葉
小葉は円みを帯び、先は鋭くとがらない。葉柄基部は耳状に茎を抱く。 2018.4.26 東京都八王子市

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