カモガヤ

カモガヤ(イネ科)[鴨茅]

最初は江戸時代末期の文久年間に入ったといい、明治初期に入って再度牧草として北アメリカから導入されて広がった地中海~西アジア原産の帰化植物。オーチャードグラスの名で知られる世界的な牧草で、緑化にも利用されたことから全国的に広まった。和名のカモガヤは英名のCock's-foot grassをduckと間違えて和訳したことによるという。生態系被害防止外来種リスト掲載種であり、日本生態学会が定めた日本の侵略的外来種ワースト100にも選ばれている。
道端や草地に普通に生え、スギブタクサとともに花粉症の原因植物として嫌われている。実際はカモガヤ以外のイネ科の植物も花粉症の原因となっているらしい。夏風邪と思っていたものがこれが原因のアレルギーであることが多いようだ。

短い根茎がある多年草で、茎は叢生して大株となり、直立して高さ0.4-1.6mになる。
葉は白緑色、長さ10-40cm、幅0.3-1.4cmの扁平な線形で、先は細くとがる。葉鞘は下方で縁が合着して筒形となり、無毛または短毛があってざらつく。葉舌は膜質、高さ0.7-1.2cmの3角形で目立つ。
円錐花序は長さ10-25cm、枝は少数で各節に1-2本直立して出るが、次第に水平に開出する。枝は下方のものほど長く、先の片側に偏って多数の小穂を塊状に密集してつける。小穂は扁平で長さ0.5-1cmの広楕円形、柄はごく短いか無柄。3-6小花からなり、緑色。苞穎の縁は透明な膜質。第1苞穎は長さ3-4mmで1脈、第2苞穎は長さ5-6mmで3脈があり、先は鋭くとがる。護穎は苞穎よりやや大きく、長さ4-7mmで5脈があり、中央脈の上端は0.5-1.5mmの短い芒となって伸び、背面の竜骨には1列の長い剛毛が並ぶ。内穎は護穎と少し短いかほぼ同長。葯は長さ3-4mm。
花期:6-8月
分布:帰化植物
撮影:2001.6.10 青森県南郷村
カモガヤ-2
2019.6.3 神奈川県小田原市

カモガヤの花
雄しべから多数の花粉が風に舞って飛ぶ。 2019.5.13 横浜市金沢区

カモガヤの葉舌
葉舌は目立つ。 2019.5.13 横浜市金沢区


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