コキンバイ

コキンバイ(バラ科)[小金梅]

名は、丈が小さく、花の形がウメに似ていて、色が黄金色であることからついたもの。キンポウゲ科のキンバイソウに似て小さいからという説もある。どっちにしても花の特徴を捉えたものであることに変わりはない。
結構あちこちで見かけるのだが、あまり人気がないのか、図鑑類にもそれほど掲載がなく、人に名前を教えてもなかなか覚えてくれない不遇の花。同時期に咲く黄色の花は多く、何か目立つ特徴がなければ皆同じように見えるのかもしれない。

山地の林下に生える多年草で、花茎は高さ10-20cmになる。根茎は細く地中をはい、ときに群落をつくる。
葉は全て根生し、3出複葉。小葉は不規則に浅く3-5中裂し、縁に粗い鋸歯があって両面に毛がある。頂小葉は長さ2-3cmの菱状倒卵形で、側小葉はゆがんだ卵形。葉柄は長さ5-10cmで基部に薄い托葉がある。
花茎の先に直径2cmほどの黄色の5弁花を1-3個つける。花弁は円形~楕円形でこの株のように花弁の先がやや鋭角のものも多い。5個の萼片と萼片よりやや小さい5個の副萼片があり、披針形で先はとがる。雄しべは多数あり、雌しべの花柱は5個ほど。
果実は長さ3-4mmの倒卵形の痩果で白毛がある。
花期:5-6月
分布:北・本(氷ノ山以北)
撮影:2007.5.26 岩手県久慈市
コキンバイの花
花弁の先がとがるものが多い。 2007.5.26 岩手県久慈市

コキンバイの葉
葉は3出複葉。 2000.5.21 岩手県岩泉町


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