ウメ(バラ科)[梅] |
名の由来については漢名の梅(muiまたはmei)から転訛したとも、烏梅(うばい)から転訛したともいわれるが、そのほかにも数多くの説がある。 中国中部原産で、奈良時代以前に薬用として渡来したとされ、広く観賞用や果樹として栽培される。暖地ではときに野生化している。果実は酸味が強く、梅干しや梅酒として利用される。果実を燻製にして天日で干したものを烏梅(うばい)といい、薬用に用いる。万葉時代には花といえばサクラではなく、ウメを指していた。花の色や花弁の数などに変化が多く、野梅系、紅梅系、豊後系など300を超える園芸品種がある。材は床柱や櫛、彫刻材などとして利用する。 幹は根元近くで枝を分け、高さ5-6m、幹径20-30cm、大きいものは高さ10m、幹径60cmに達する落葉小高木~高木。樹皮は暗灰黒色で不揃いに割れて荒々しい肌になる。古くなるとしばしばウメノキゴケなどの地衣類がつく。若枝は緑色で無毛。 葉は互生し、長さ4-8cm、幅3-5cmの倒卵形~楕円形で縁に細かい重鋸歯があり、基部は円形~広いくさび形、先は急に狭まって尾状に鋭くとがる。表面は緑色、裏面は淡緑色で両面とも微毛があり、裏面主脈基部付近に縮毛が密生する。葉柄は長さ1-2.5cmで微毛がある。腺点は葉身基部または葉柄最上部にある。托葉は長さ5-9mmの披針形。 葉の展開前に前年枝の葉腋に直径2-3cmの芳香のある両性花をほぼ無柄で1-3個ずつつけ、平開する。花色はふつう白色で紅色や淡紅色のものもある。萼裂片は5個、楕円形で円頭、褐紫色。開花時に萼裂片は反り返らない。花弁は5個または多数、広倒卵形~広卵形で円頭。雄しべは多数で花弁より短い。雌しべは1個で花柱は雄しべより少し長く、子房に密毛がある。 果実は直径2-3cmのほぼ球形の核果で6月頃に黄色に熟し、片側に浅溝がある。果面に密毛がある。核は直径1cmのやや扁平な楕円形で表面に小穴が多い。 アンズは葉がウメより幅広く、卵円形~広楕円形で先は短くとがる。葉柄は2-3cmと長い。花期は3-4月。萼は開花時に反り返る。 花期:2-3月 分布:帰化植物 撮影:2024.1.23 横浜市中区 |
全国に多くの梅林がある。 2020.2.4 横浜市中区 花色は白が普通。 2006.3.15 東京都日野市 赤い花も人気がある。 2022.2.22 横浜市中区 雄しべは多数。 2024.2.28 横浜市保土ケ谷区 萼裂片は円頭。 2024.2.28 横浜市保土ケ谷区 葉は縁に細かい重鋸歯があり、先は急に狭まって尾状に鋭くとがる。 2024.4.23 横浜市中区 裏面主脈基部付近に縮毛が密生する。腺点は葉身基部または葉柄最上部にある。 2024.4.23 横浜市中区 果実は片側に浅溝があり、果面に密毛がある。 2024.4.23 横浜市中区 樹皮は暗灰黒色で不揃いに割れて荒れた肌になる。古くなるとしばしばウメノキゴケなどの地衣類がつく。 2024.2.28 横浜市保土ケ谷区 |
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