ナガエツルノゲイトウ

ナガエツルノゲイトウ(ヒユ科)[長柄蔓野鶏頭]

ツルノゲイトウに似ていて、花柄が長いのでこの名がある。別名ミズツルノゲイトウツルノゲイトウモドキ
南アメリカ原産の帰化植物。観賞用に移入されたものが逸出したと考えられ、平成元年(1989年)に兵庫県尼崎市で初めて採集された。国内のものは結実せずに茎の断片から栄養繁殖で殖えるので、現在では関東地方以西に蔓延している。外来生物法の特定外来生物指定種で、栽培や生きたままの運搬等が罰則付きで禁止されている。

川岸、水路、湿地など、水辺に大群生する多年草。茎は軟らかく、直径4mmで中空、長さ0.5-1m以上に伸びる。下部はよく分枝し、匍匐して節々から発根し、上部は斜上~直立する。節間の上部に2条の毛列があり、節の直上に縮毛を密生する。
葉は無柄または短い柄があって対生し、葉身は長さ3-5cm、幅1-2cmの倒広披針形で縁毛状の細鋸歯があり、基部はくさび形で先は鋭頭または鈍頭。表面は圧毛を散生し、裏面は淡緑色で無毛。
上部の葉腋にふつう1個、ときに2個の頭状花序をつける。花序は直径1-1.5cmの半球形で20個ほどの花が集まり、長さ1-4cmの柄がある。小苞は3個、長さ2-3mmの卵形で白色半透明。花被片は5個、長さ6-6.5mmの卵状長楕円形で1脈があり鋭頭、白色~灰白色で乾膜質。雄しべは5個で先端が細裂する仮雄しべと互生し、花糸は基部で合着して杯状となる。花柱は1個で長さ1-1.5m、柱頭は頭状。
果実は1種子を含む(国内のものは結実しない)が裂開しない。

ツルノゲイトウやホソバツルノゲイトウは頭状花序が無柄。
花期:4-10月
分布:帰化植物
撮影:2021.8.6 神奈川県茅ヶ崎市
ナガエツルノゲイトウ-2
特定外来生物指定種で川岸で盛り上がるように繁殖している。 2021.8.6 神奈川県茅ヶ崎市

ナガエツルノゲイトウ-3
葉腋から長い花柄の先に直径1-1.5cmの頭状の花序つける。 2021.8.6 神奈川県茅ヶ崎市

ナガエツルノゲイトウの花序
頭状の花序は20個ほどの花が集まったもの。 2021.8.6 神奈川県茅ヶ崎市

ナガエツルノゲイトウの葉
葉の表面(左)と裏面(右)。表面に圧毛が散生し、裏面は無毛。 2021.8.6 神奈川県茅ヶ崎市

ナガエツルノゲイトウの葉-2
全縁に見えるが、縁毛と低い鋸歯がある。 2021.8.6 神奈川県茅ヶ崎市

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