ニラ(ヒガンバナ科)[韮] |
日本を含めた東アジア原産という説もあり、真の野生なのか、野菜として栽培されたものが逸出したものかはよく分かっていない。道端や草地、河原の土手などに生える多年草で、全体に独特の臭気があるが、なじみの野菜として盛んに栽培される。 地下にシュロ状の毛に包まれた狭卵形の小さな鱗茎が横に連なっている。 葉は根生して軟らかく、長さ20-40cm、幅3-6mmの線形で扁平な葉が多数束生する。 葉の間から高さ30-50cmの花茎を伸ばし、先端に2個の膜質の総苞があり、そこから半球形の散形花序をつけ、白い小花を20-40個咲かせる。花は平開し、花被片は6個、長さ5-6mmの狭長楕円形で先はとがり、基部は合着する。雄しべは6個で花外に突き出る。花被片より少し短く、花糸は下部ほど太くなる。子房は3室。 果実は長さ5mmの蒴果で熟すと3裂する。種子は黒色で長さ3-4mm。 葉は煮物や炒め物、汁の実などによく用いられ、ビタミンAやカロチンの含有量が多い。漢方では、種子を乾燥させたものを韮子(きゅうし)といい下痢などに煎服する。茎葉を陰干しした韮日(きゅうび)は煎じて健胃、強精、強壮に用いる。 毒草のスイセンをニラと誤認して食べてしまう事故がときどきあるので注意が必要。葉の形で見分けるのは困難で危険であり、必ず強いニラ臭があることを確認するべき。また、スイセンの鱗茎は広卵形で黒い外皮に包まれるのに対し、ニラの鱗茎は狭卵形~披針形でシュロ状の毛に包まれ、その下に根茎が横に連なって伸びて株状となることが異なる。ネット上では「スイセンには鱗茎があり、ニラには鱗茎がないことで見分けられる」という不正確な情報が流布しているが、ニラにも小さいが鱗茎はある。なお、ハナニラも毒性があり、葉は似ておりニラ臭があるのでこれも注意が必要。 花期:8-9月 分布:帰化植物 撮影:2005.9.4 青森県八戸市 |
花被片は平開する。子房は3室。 2017.9.8 神奈川県葉山町 果期。 2019.10.21 神奈川県茅ヶ崎市 蒴果は3裂。種子は黒色。 2019.10.21 神奈川県茅ヶ崎市 |
ヒメニラに戻る チシマアマナに戻る ハナニラに戻る ハタケニラに戻る ミツカドネギに戻る |
検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。 |