オニユリ(ユリ科)[鬼百合] |
名は大きなユリの意で、ほかのユリ(ヒメユリ?)より大きいことから名付けられたと考えられている。花が下向きに咲いている様子を仏像の上にかざす天蓋に見立て、別名テンガイユリ(天蓋百合)という。 田のあぜや畑の縁など人里近くに生え、高さ1-2mになる多年草。日本各地に分布するが、真の自生かどうかは疑問で、古い時代に中国から食用として持ち込まれたものとも考えられている。鱗茎は黄白色、直径5-8cmの卵球形。やや苦みがあるがヤマユリやコオニユリとともに食用として栽培もされる。茎は太い円柱形で直立、暗紫色の斑点が多く、上部には初め白色の綿毛がある。 葉は柄がなく互生。深緑色でつやがあり、長さ7-15cm、幅1-1.5cmの披針形~広披針形で先はとがる。葉腋に濃褐色のむかご(珠芽)がつくのが大きな特徴。多くはヒガンバナと同じく3倍体で、ふつう果実をつけないのでこのむかごで殖える。対馬や朝鮮半島では2倍体のオニユリが見つかっており、よく結実する。 茎の上部に直径10-12cmの花を横向き~斜め下向きに4-20個つける。花被片は6個、橙赤色で内面に濃色の斑点があり、長さ7-10cmの披針形で外側に強く反り返る。雄しべは6個で上部で斜めに開出する。葯は線形で丁字着、花粉は黒褐色。 黄花品はオウゴンオニユリという。よく似たコオニユリは山地の湿ったところに生え、むかごをつけずに結実し、茎に斑点はない。 花期:7-8月 分布:北・本・四・九 撮影:2018.7.13 横浜市南区 |
花被片は濃色の斑点がある。 2018.7.13 横浜市南区 葉腋にむかごをつけることでコオニユリと区別できる。 2018.7.13 横浜市南区 |
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