サナエタデ(タデ科)[早苗蓼] |
「早苗」とは田植え直前の若い稲の苗のことで、タデの仲間としては花期が早く、田植えの時期には咲き出していることからこの名がある。ヨーロッパ原産で古い時代に農耕文化とともに入ってきた史前帰化植物だと考えられている。 道端や田畑の縁、日当たりのよい原野などに生える1年草。茎は無毛で直立し、上部で枝を分けて高さ30-60cmになる。節は膨らまない。 葉は短い柄があって互生し、長さ4-12cm、幅0.5-3.5cmの披針形~卵状披針形で全縁、基部はくさび形で先は長く鋭くとがる。質はやや厚く、両面脈上に短毛があり、裏面にはときに白毛を密生、側脈は7-15対あるか不明瞭。托葉鞘は長さ0.7-1.5cm、膜質の筒状でふつう縁毛はなく、あっても極めて短い。 茎頂や上部の葉腋から長さ1-4cmの円柱形の花序を出して多数の花を密生してつける。花序の多くは直立するが、少し曲がるものもある。花柄や小花柄に腺毛はない。花被は淡紅色~白色、長さ2-3.5mm、4-5深裂して先がY字形に2分岐する脈が目立つ。雄しべは5-6個。 果実は残存する花被に包まれ、光沢のある黒褐色で扁平な円形の痩果。 よく似たハルタデは茎に軟毛が多く、托葉鞘の外面に毛があり、短い縁毛がある。花柄や小花柄に腺毛がある。葉の中央にしばしば黒斑が入る。オオイヌタデは高さ1-2mになり、節は明らかに膨らむ。イヌタデは托葉鞘に鞘と同長の長い縁毛がある。 花期:5-10月 分布:北・本・四・九 撮影:2005.9.4 青森県八戸市 |
花序の多くは直立するが、少し曲がるものもある。 2006.7.23 青森県八戸市 2016.10.21 横浜市戸塚区 |
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