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ツワブキ(キク科)[石蕗] |
名は、フキに似て葉につやがあることからツヤブキ(あるいはツヤハブキ)→ツワブキに転訛したもの。小京都として知られる島根県津和野町の名の由来は、昔ツワブキが群生していたことからついたいわれている。古くはタカラコといった。イシブキ、ツヤ、ツワナ、ナガバヌなどの地方名がある。 暖地の海岸の岩上や崖地、疎林内に生え、花茎の高さが30-80cmになる常緑の多年草。全体に褐色の綿毛が密生する。根茎は太く、斜めに短くはう。 根生葉は花時にもあり、長さ10-40cmの長い葉柄があって、長さ4-15cm、幅6-30cmの腎心形、多肉で表面につやがあり、裏面は軟毛があって灰白色。縁は全縁または不揃いの波形の鋸歯がある。葉柄の基部は短い鞘状で茎を包み、葉腋には軟毛が密生する。茎葉は苞状。 束生する葉の間から花茎を出し、直径4-6cmの黄色の頭花を散房状につける。花柄は1.5-7cm。頭花は周りの舌状花と中央の筒状花からなり、いずれも結実する。舌状花は雌性で1列、10-15個あり、花冠は長さ3-4cm、幅5-7mm。筒状花は両性で花冠は長さ1-1.2cm、先は5裂している。総苞は長さ1.2-1.5cmの筒状で基部に小さな苞があり、総苞片は1列。 痩果は真冬に結実し、長さ5-7mmの円柱形で条がある。長さ0.8-1.1cmの汚白色の冠毛がある。 日陰でよく育ち、晩秋から冬の間の花が少ない時期に華やかに咲くので、庭園や公園で盛んに植栽される。多様な斑入り葉など園芸種も多い。 春先の綿毛に被われた新芽の茎は、佃煮にしてきゃらぶき(伽羅蕗)として食べる。きゃらぶきはツワブキで作るものが本物。そのほか、フキと同様に和え物、煮物、砂糖漬などにする。葉が展開する前の若いものを採り、綿毛と葉身をとって皮を剥いてからあくを抜いて利用する。 生薬名を橐吾(たくご)という。生葉または火であぶり、打撲、腫れ物の吸い出しや軽いやけど、湿疹などに貼って利用し、根茎を干したものは、健胃、抗菌、魚の中毒の解毒に煎服する。 沖縄の山中に生えるリュウキュウツワブキは葉が扇形。四国、九州の海岸に生えるオオツワブキは大型で食用として栽培され、葉を漬物にする。屋久島と種子島に生えるカンツワブキは葉が薄く縁に不揃いな鋭い重鋸歯があり、高さ25-40cm。 ![]() ![]() ![]() ![]() |
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