ヤマジノホトトギス(ユリ科)[山路の杜鵑草] |
名は普通に考えると山道に生えるホトトギスの意味と取れるが、ヤマホトトギスもそうだがホトトギスよりも山に生えるという印象はないので、「山路」は特別な意味を持たず、単に区別するためにつけたものだろう。ホトトギスの名は花の模様が鳥のホトトギスの胸の斑紋に似ているからとされているが、ホトトギスの胸の模様は横縞なので似ているとは思えない。 山野の林内や林縁に生え、高さ30-60cmになる多年草。茎の高さがほんの10cmほどで花をつけているものもよく見かける。茎は分枝せず斜め下向きの毛が生える。 葉は互生し、長さ10-20cmの卵状長楕円形で先はとがり基部は茎を抱く。まばらに毛がある。 葉腋や茎の先に白地の花を1-2個つける。花柄に毛が多く、花被片は長さ2.5cmほど、6個で白色、紫色の斑点は少なく、基部近くに大きな紫色の斑紋がある。花被片は平開するか上側に向かって膨らむ。外花被片の下部は球状に膨らむ。雄しべは6個で花糸に斑点はなく葯は白色。花柱は斑点があり、3深裂してさらに2裂して平開する。 果実は蒴果で3室。種子は扁平な卵形。 白花品はシロバナヤマジノホトトギスという。別名シロバナホトトギスというが、ホトトギスの白花品のシロホトトギスと混同しやすいのでわざわざ使う必要はない。 ヤマホトトギスとよく似ているが、ヤマジノホトトギスは花被片が平開するか上側に向かって膨らむのに対し、ヤマホトトギスは散房花序を出して花被片は下に向かってくぼみ、先端が上に向かって反り返る。ホトトギスは花被片が斜開する。 花期:8-10月 分布:北・本・四・九 撮影:2005.8.27 秋田県田沢湖町 |
花に斑点は少ない。花柱に斑点があるが、花糸にはない。 2004.8.22 岩手県北上市 |
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