アメリカヤマボウシ

アメリカヤマボウシ(ミズキ科)[亜米利加山法師]

名は、日本のヤマボウシに似ていて北アメリカ原産であることによる。別名ハナミズキといい、一般的にはこの名前でよばれることが多い。別名はミズキの仲間で花の目立つものの意。英名dogwood。
日本には明治時代中期に導入された。大正元年(1912年)に東京市長尾崎行雄がワシントンD.C.にサクラを寄贈し、大正4年(1915年)にその返礼として日本に送られたことで有名。北アメリカ東部~メキシコ原産でノースカロライナ州、バージニア州の州花。多くの園芸品種があり、庭木や公園樹、街路樹として普通に植栽される。

幹は直立してよく分枝し、日本では高さ5m程度、原産地では12mになる落葉小高木~高木。樹皮は灰黒色で、カキノキに似て網目状の割れ目が入る。若枝は初め毛があり、緑色で紫褐色を帯びる。
葉は枝先に集まって対生し、長さ8-15cm、幅4-6cmの卵形~広卵形で全縁、先は短くとがり基部は広いくさび形~円形。裏面は粉白を帯び、脈上に毛がある。側脈は6-7対。葉柄は長さ0.5-2cm。秋に紅葉する。
枝先に直径約6mmのタマネギを思わせる半球形の花芽がつく。黄緑色の小さな花が15-20個集まった球形の頭状花序の基部に白色や桃色、赤色、薄黄色などの花弁状の総苞片4個がつく。総苞片は長さ4-6cmの広倒卵形で先端はへこむ。実際の花弁は長さ約6mmの長楕円形で4個。雄しべは4個で花弁より短い。萼筒は淡緑色で4浅裂し、萼片は3角形。
果実は長さ約1cmの楕円形の液果状核果。枝先に数個集まってつき、9-10月に光沢のある深紅色に熟す。種子は2個あり、長さ約1cmの紡錘形で淡褐色。

在来のヤマボウシは花期が5-7月と遅く、総苞片の先はくぼまずに鋭くとがる。果実は合生して球形の集合果となる。
花期:4-5月
分布:帰化(園芸)植物
撮影:2024.4.23 横浜市中区
アメリカヤマボウシ-2
品種も多く、全国で普通に栽培される。 2024.4.23 横浜市中区

アメリカヤマボウシ-3
総苞片が白色のものが本来のもの。 2024.4.23 横浜市中区

アメリカヤマボウシの花序
4個の総苞片の先はとがらない。 2024.4.23 横浜市中区

アメリカヤマボウシの花芽
枝先の花芽はタマネギ状。基部に対生する葉芽がある。 2022.3.1 横浜市中区

アメリカヤマボウシの葉
葉先は短くとがり基部は円形。側脈がきれいに湾曲する。 2024.4.23 横浜市中区

アメリカヤマボウシの葉-2
裏面は粉白を帯びる。 2024.4.23 横浜市中区

アメリカヤマボウシの果実
核果は楕円形でヤマボウシのような集合果にならない。 2018.10.18 横浜市金沢区

アメリカヤマボウシの樹皮
樹皮は灰黒色で網目状に割れる。 2024.4.23 横浜市中区

ヤマボウシに戻る


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。