フジカンゾウ(マメ科)[藤甘草] |
名は花をフジに、姿を有用植物として栽培されるカンゾウに見立てたもの。 平地~低山の林内に生える多年草で、高さ0.5-1.5mになる。茎は直立し、全体にまばらに細毛と粗毛がある。北限は青森県だがごくまれ。 葉はまばらに互生し、2-3対の奇数羽状複葉。頂小葉は長さ8-16cm、幅3-6cmの長楕円形~倒卵形で基部はくさび形で先は鋭くとがる。側小葉は基部のものほど小さくなる。托葉は長さ7-9mm、幅1-1.2mmの線状披針形。 茎頂や上部の葉腋から長さ50cmに達する長い総状花序を出し、淡紅紫色の蝶形花を多数穂状につけ、下から咲き上がる。萼は上方で4裂する。花冠は長さ0.8-1cmと大きい。竜骨弁は翼弁より長く、長さ7.5-8.5mm。小花柄は長さ4-6mmで果時には0.9-1.2cmになる。 豆果は1-2個の小節果からなる節果で、小節果は長さ1-1.5cm、幅5-7mmの半月形で全面にかぎ状の毛が生え、動物の毛について散布される。種子は長さ5mm、幅9mmほど。 まれに白花をつけるものがあり、シロバナフジカンゾウという。 他のヌスビトハギ属の植物(ヌスビトハギ、ヤブハギなど)は3小葉なので区別は容易。 花期:8-9月 分布:本・四・九 撮影:2017.8.28 横浜市緑区 |
ヌスビトハギやヤブハギより花が大きく、長さ1-1.5cmある。 2017.8.28 横浜市緑区 全体に細毛と粗毛がある。 2020.9.17 横浜市戸塚区 小葉が5-7個あるのはこの仲間ではフジカンゾウだけなので、区別は容易。 2017.8.28 横浜市緑区 小節果は半月形でふつう1-2個。 2017.11.2 横浜市緑区 |
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