イヌナズナ(アブラナ科)[犬薺] |
ナズナに似ているが食べられないので「イヌ」の名を冠したといわれるが、ナズナとは別属。「イヌ」や「カラス」など動物の名を冠した植物名は結構あり、その多くは「役に立たない」とか「食べられない」という意味が込められたもの。 人家近くの畑や道端の草地に生える高さ10-25cmの越年草。茎は丈が低く、単毛と星状毛が混生する。しばしば群生し、かつては東京23区内でも割と普通に見られたが、都市部ではまず見かけることがなくなった。県によっては絶滅危惧種に指定しているところも多いようだ。 葉は単葉で両面に白い軟毛と星状毛があり、互生する。根生葉は束生してロゼット状で越冬し、長さ1-4cm、幅0.8-1.5cmのへら状長楕円形、茎葉は長さ1-3cmの狭長楕円形で縁に粗い鋸歯があって基部は茎を抱く。 茎頂にまばらな総状花序をつけ、直径4-5mmの黄色の十字形花をつける。萼片は4個、長楕円形~楕円形で先は円く、背面に短毛がある。花弁は4個、長さ2-3mmの倒卵形で先は少しくぼむ。雄しべは6個で4個が長く2個が短い4強雄しべ。子房は上位。花柱は目立たず、柱頭は2個。花後に花序と花柄が伸びる。 果実は短角果で長い柄がほぼ水平に開出してその先につく。長さ0.5-1cm、幅2mmの扁平な長楕円形で、ふつう短毛が密生する。種子は赤褐色で楕円形。 まれに短角果が無毛の品種があり、メイヌナズナという。 ナズナは果実がハート形。イヌガラシやスカシタゴボウも花が黄色だが、イヌガラシは果実が長さ2cmほどと長く、スカシタゴボウは根生葉が羽状に切れ込む。 花期:3-6月 分布:北・本・四・九 撮影:2003.4.22 青森県南郷村 |
1998.4.12 青森県南郷村 かつては都内でも普通に見られた。果実は短角果。 1973.3 東京都板橋区 |
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