センリョウ

センリョウ(センリョウ科)[千両・仙寥]

名はサクラソウ科のマンリョウ(万両)に対比してついたもの。また、百両とよばれるサクラソウ科のカラタチバナより美しい、または果実が多いという意味でついたとも。かつては「仙寥菓・仙寥花」の字が当てられていて、「千両」の字が使われるようになったのは江戸時代後期のことだという。センリョウ、サクラソウ科のマンリョウ(万両)、カラタチバナ(百両)、ヤブコウジ(十両)、アカネ科のアリドオシ(一両)は全て縁起物となっている。
赤い実を観賞するため庭園に植えられる。本来の分布は南日本で、現在の分布は栽培品の逸出によるものも多いのではないかといわれている。

暖地の常緑広葉樹林内に生える常緑小低木で、高さ0.5-1mになる。全体無毛。茎は直立してまばらに分枝し、節はやや膨らむ。被子植物でありながら、裸子植物と同じ仮導管があるなど、原始的な特徴を残す植物。
葉は対生し、やや肉質で厚く光沢があり、長さ10-15cm、幅4-6cmの長楕円形~卵状楕円形、先はやや長く伸びてとがり基部はくさび形、縁に粗く先が細くとがる鋸歯がある。自生品の葉は表面が濃緑色だが植栽品では黄緑色を帯びるものが多いという。葉柄は長さ0.5-2cmで基部は広がって茎を包み、2個の線形の小さな托葉がある。
枝先に2-3個の長さ2-4cmの穂状花序を出し、花被のない淡黄緑色の花をまばらにつける。花は苞の腋につき、苞は長さ1mmの3角状で先はとがる。子房は球形で長さ1.5mm、1室で花柱はごく短い。子房の背軸側の中部に長さ1.5mmの雄しべが1個合着して横に張り出す。花糸はなく、葯は黄色、2室で縦に裂ける。
果実は直径5-7mmの球形の液果状の核果で、12-2月に上向きに赤く熟す。核は1個で淡褐色、直径3-4mmの球形。

果実の色が黄色のものはキミノセンリョウという。
花期:6-7月
分布:本(関東地方南部・東海地方・紀伊半島以南)・四・九・沖
撮影:2020.11.21 横浜市戸塚区

果実は上向きに熟す。 2019.10.23 横浜市南区

センリョウ-2
2017.1.3 静岡県熱海市

センリョウの花
花に花被はなく、全く目立たない。 2018.6.13 神奈川県横須賀市

センリョウの葉
葉は光沢があり、鋸歯は粗く先が細くとがる。 2018.11.8 横浜市戸塚区

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