スズメノヒエ

スズメノヒエ(イネ科)[雀の稗]

名は、穎果をスズメの食べるヒエにたとえたもの。植物で「スズメ」の名がつくものは、「似ているが小さい」という意味が込められており、スズメノエンドウスズメノテッポウスズメノヤリスズメノカタビラスズメウリなど、数多くある。

日当たりのよい草地や田畑に生え、茎は細く、高さ40-90cmになる多年草。外来種に押されて少なくなってきた在来種の一つ。
葉は長さ10-30cmの線形で全体に長い軟毛が密生する。葉鞘も有毛。茎の先に花序の枝(総)を3-5個開出し、軸の下部に淡緑色の多数の小穂が2列に密に並ぶ。小穂は長さ2.5-3mmの卵円形で先はほとんどとがらない。小穂は無毛で雌しべは暗紫色、葯は黄色。

よく似て南アメリカ原産のシマスズメノヒエは、小穂の縁に毛があって先はとがり、3-4列に並んでつく。葯は紫黒色。自分の観察では、スズメノヒエの枝は斜上するのに対し、シマスズメノヒエはやや下垂して出る傾向がある。
花期:7-10月
分布:本・四・九・沖
撮影:2004.8.21 青森県三沢市

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