ゴボウ

ゴボウ(キク科)[牛蒡]

名は、根を牛の尾に見立てて牛房と書いたことからついたもの。別名ノラゴボウという。地方名はいろいろあるが、主産地の青森県東部では「ごんぼ」とか「ごんぼう」という。
ユーラシア原産の越年草で、古い時代に朝鮮半島経由で渡来したものと推定されている。北海道と東北地方北部では、道端や空き地に野生化しているのが見られる。作物として栽培し食用にするのは日本と朝鮮半島のみで、地下の太い根をきんぴらや鍋物の具にする。

茎は紫色を帯び、まばらなクモ毛があって直立し、上部で斜上する枝を出し、高さ0.5-1.5mになる。地下に長い直根がある。
根生葉は長い柄があって互生し、長さ30cm、幅20cmの大型の長心形で縁に波状の鋸歯があり、表面は淡緑色、裏面はクモ毛を密生して灰白色。厚みがあって花時にも枯れずに残る。茎葉は上部のものは小さくなる。
茎の上部に筒状花のみからなる直径4cmほどの頭花を上向きにつける。総苞は直径1.5-2cmの球形、総苞片は針状で先がかぎ状に曲がり、熟すと動物に付着して運ばれる。中の痩果は長さ約6mm。

秋に熟した痩果を日干し乾燥したものを牛蒡子(ごぼうし)といい、浮腫、腫れ物、咽頭痛に用いる。紅色の白味噌餡とゴボウを組み合わせた半月形の「はなびら餅」は正月限定の菓子として知られる。
花期:6-9月
分布:帰化植物
撮影:2023.7.6 横浜市南区
ゴボウの頭花
総苞片は針状で先がかぎ状に曲がる。 2023.7.6 横浜市南区

ゴボウの果実
総苞の中に長さ6mmほどの痩果がある。 2023.10.18 横浜市南区

ゴボウの葉
葉は大型の長心形で厚みがあって花時にも枯れずに残る。 2023.5.11 横浜市南区

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